あ!なるほど豆知識 ブロッコリー

主な種類と特徴

ブロッコリーが一般的に食べられるようになったのは1970年代からです。茎の頭にできた花蕾(からい)だけを利用する頂花蕾(ちょうからい)型、枝分かれした先からできた花蕾も利用する頂花蕾・側花蕾(そくからい)兼用型、脇から次々育つ側花蕾を主として利用する側花蕾型など、花蕾を収穫する場所の違いによって品種が分かれています。

【頂花蕾型】
茎の頂部に大きな花蕾を一つだけつける、現在主流のタイプです。花蕾を大きく成長させ、茎とともに長めに収穫します。

【側花蕾型】
わき芽が次々と生育し、各頂部に小さな花蕾をつけるタイプです。キャベツの仲間であるカイランとブロッコリーを交配してできたスティック型の‘スティックセニョール’や山口県農業試験場で育成された‘はなっこりー’等があります。アスパラガスのように茎の部分が長くてやわらかく、茎ブロッコリーとして人気があります。

【ブロッコリー・スプラウト】
ブロッコリーの種を発芽させたものです。発芽させた野菜等の芽はスプラウトと呼ばれ、貝割れや大根やもやしもスプラウトの一種です。ブロッコリー・スプラウトは、1997年にがん予防に効果のあるスルフォラファンが多いと発表されたことから注目され、スプラウト人気の火付け役となりました。成熟した野菜より栄養分が豊富で、生食に向く手軽さから、需要は年々高まっています。

ピーマンの仲間「ししとう」

熊本耳寄り情報

原産地と日本への渡来

ブロッコリーは、地中海沿岸が原産地で、16世紀にはイタリアやフランスで栽培されていたようです。日本へは、明治初めに渡来しましたが普及せず、1970年代になってから、食生活の洋風化に伴って食卓にもあがるようになりました。国民の栄養意識が高まった1980年代に入って米国カリフォルニア等から輸入が始まり、一年中出回るようになると、その栄養価が評価され、消費量が一気に伸びました。また、需要の増加に伴って国内産地における予冷体制(※)が整い、国産ブロッコリーの一年を通した供給体制が確立しました。北海道や長野県などの冷涼地では夏どり栽培が、関東以南の暖地では冬〜春どり栽培が行われています。
※予冷・・・青果物の鮮度を保つために、出荷や貯蔵の前にあらかじめ冷却すること。

ピーマンの花

栄養素・機能性成分

ブロッコリーは、栄養素を豊富に含んでおり、中でも風邪予防や美肌効果が期待できるビタミンCの含有量は、生のままだと100g中120?とレモン果汁の2倍以上含まれており、野菜の中でもトップクラスです。夜間の視力回復や発ガン抑制効果の期待できるカロテン、お互いに協力して貧血を予防する鉄や葉酸を豊富に含むほか、カルシウムの代謝を促す作用を持つビタミンKがカルシウムと共に豊富に含まれているため、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。

選び方

花蕾がこんもりと盛り上がっており、つぼみの粒が小さくしっかりと密集したものを選びましょう。また、茎の切り口がみずみずしく、スが入っていないものが新鮮です。完熟したブロッコリーはやわらかく甘みも強くなりますが、小ぶりのものは早取りされた場合が多いので、重量感のある大ぶりのものを選びましょう。

保存方法

収穫後のブロッコリーは呼吸作用が激しく、つぼみが開くと品質が低下するので、水洗いしないでポリ袋に入れ、密封せずに野菜室で保存するか、また小花蕾ごとに分けて硬めにゆで、冷凍するとよいでしょう。

調理メモ

(農畜産業振興機構「野菜ブック」より引用)